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子育ちコラム

公開日:2021/12/20

【#1】アンガーマネジメント編~夫にイライラすることが増えた…喧嘩はしたくない。どうしたらいいの?~

【#1】アンガーマネジメント編~夫にイライラすることが増えた…喧嘩はしたくない。どうしたらいいの?~

 

こんにちは!

フレーベル館・子ども子育て研究室です。

私たちは、未就学児の保護者を対象に子育てについて調査を行っています。

 

 

「言えばやってくれるけど…。

夫には、もっと子育ての当事者意識を持ってほしい。本当は、子どもの成長を一緒に喜び、お互い協力し合って楽しく子育てしたい!」

 

「できることはしている…。

だけど妻は、なんだか最近いつも怒ってる。なぜ?以前のように笑顔でいてほしい!」

 

お互いに「一緒に子育てを楽しみたい」という想いは一緒のはず…。

 

その背景には、「夫婦で対話する機会自体が少ない」という問題が見えてきました。

【この連載ができた背景】裏話についてはこちらの記事をご覧ください

 

この連載では、「夫婦間の子育てにおけるコミュニケーション」に着目し、「思考と感情の整理と対話の方法」をテーマに、3か月にわたり、毎月1名ずつ3名の専門家にお話を伺っていきます。

 

専門家のお話を伺うことで、具体的な手法を知り、「夫婦で一緒に楽しく子育てしたい」という想いの実現につなげたいと考えます!

 

 

初回となる今回、お話を伺った専門家は、

日本アンガーマネジメント協会の

篠真希先生です!

【篠真希(しのまき)先生】
日本アンガーマネジメント協会
トレーニングプロフェッショナル
夫の転勤に伴い7年間海外に居住。帰国後、子供の生活環境の変化・学級崩壊などを経て、子供の感情マネジメントに関心を寄せアンガーマネジメントを学ぶ。日本で初めての「母親のための入門講座」を開催すると同時に、幼少期からのアンガーマネジメント習得の必要性を提唱し「キッズインストラクター養成講座」の立ち上げに従事。出典:日本アンガーマネジメント協会より抜粋
著書|著:篠真希「子育てのイライラ怒りにもう振り回されない本」(2017),すばる舎/著:篠真希,イラスト:モチコ「イラストでわかる怒らずのばす育て方」(2019),池田書店 等

 

(2021/10/14 にzoomにてインタビューさせていただきました。)

 

今回は、「怒り」を中心に、「アンガーマネジメント」の視点から、思考と感情の整理と対話の方法についてお話を伺っていきたいと思います。

 

*聞き手=フレーベル館・子ども子育て研究室(以下:子子研)

 

アンガーマネジメントとは?

怒りに振り回されることなくより円満な関係性を築いていく手法

 

子子研:アンガーマネジメントとは一体どのような手法なのでしょうか?

 

篠先生:「アンガーマネジメント」というと「怒らない人になること」と誤解される方もいるかもしれません。

 

が、それは違います!

 

まず、「怒っていること」を自覚すること

 

そして、怒りに振り回されることなく、より円満な「関係性」を築いていくことを目的としています。

 

 

怒りは“サイン”

 

篠先生:まず、そもそも「怒り」って何?という話からですが。

 

怒りって“サイン”みたいなものなんです。

 

子子研:サインですか。

 

篠先生:そう。怒っていること自体を単純に自覚できると、「私、今この状況を嫌だ、不快だ、変えたい」と感じているということに気付けるようになります。

 

サインに自分で気付けるようになると、行動に起こす時には、単に怒りをぶつけるのではなくて、言葉に置き換えられるようになります

 

自分の感情のハンドルを握る

 

子子研:アンガーマネジメントできると、どんな良いことがありますか?

 

篠先生:例えば、何か問題が起きた時、その場の勢いで感情をぶつけてしまったり、わざわざ相手が傷つくようなことを言ってしまったり。

 

そして後から「こんなこと言いたいわけじゃなかったのに…」と思う。

 

そういったことってありませんか?

 

子子研:あります、それで後悔したり…。

 

篠先生:アンガーマネジメントできるようになると、「これって怒る必要あるのかな?」と、一旦立ち止まれるようになるので、自分の感情に振り回されなくなります。

 

自分の感情のハンドルを握るイメージです。

 

自分が変わると「関係性」が変わってくる

 

子子研:夫婦関係においては、どのようなことが期待されるでしょうか?

 

篠先生:まずその質問に答える前に。

 

アンガーマネジメントって、“自分の気持ちが少し軽くなるためにやること”であって、他人を変えることではありません。

 

「これは、自分のためにしていることだ」という認識をはずさないでほしいんですよね。

 

子子研:「自分のため」にですね。

 

篠先生:はい。ただ、自分が変わることによって、自分の態度や言葉が変わって、結果的に相手との「関係性が変わる」ということはあります。

 

アンガーマネジメントの考え方とは

  • 「私今怒ってる」と気付く。

  • 「これって怒る必要あるかな?」と考える。

  • 「必要ある」と判断する。

  • 「では、どうやって伝えたら相手にわかってもらえるかな?」と言葉に置き換える。

  • 自分が変わることで、相手との関係性が変わる。

見えないものが見えてくる!「べきログ」がオススメ

自分の譲れないことを書き出す

 

 

篠先生:まず、できることとして。

「アンガーログ」を付けるのもいいですし、「べきログ」を付けるのもいいと思います。

 

子子研:べきログ・・・?

「~すべき」の「べき」ですか??

 

篠先生:はい。「べきログ」って、自分の譲れないことである「べき」をもう単純に全部書き出すんです。

 

ポイントは、できるだけ具体的に書くこと。

 

具体的に書き出すと無意識の価値観が見えてくる

 

子子研:なぜ具体的に書くことが大切なのでしょうか?

 

篠先生:それは、同じ言葉を使っていても、その言葉の理解が人によって違うということがあるからです。

 

特に子育てや、家庭のことって、自分の経験してきたこと以外は再現しにくいものです。

 

あまり口に出さない「常識」や「当たり前」のベースがそれぞれ違う。

 

だから、感覚的な言葉で理解してもらうのは、実はかなり難しいわけですよね。

 

例えば、「子育ては夫婦ですべきだ」という場合、まず、子どものことと家事のことを分けて考えます。

 

子どものことでは「休みの日だけじゃなくて、平日も子どもとの時間をつくるべきだ」とか、「ミルクをあげるだけじゃなくて、哺乳瓶の消毒まですべきだ」とか。

 

家事のことでは「私が忙しい時は、洗濯物を取り込むのは夫がやるべきだ」とか、「そもそも私が忙しい時はじゃなくて、いつもするべきだ」とかを書き出してみる。

 

 

篠先生:そして自分の書いたものを眺めてみてください。

 

その中でも、「とはいえ料理は私よね」とか、「買い物は自分で行きたい」とか、「お風呂掃除は任せたい」とか。

 

自分がやった方がいいこと」とか、「相手がやった方がいいこと」とかが無意識にあると思います。

 

 

だけどそれって、全部書いてみないとわからないんですよね。

 

子子研:確かに。

普段は、あまり意識していないです。

 

篠先生:日々忙しい中、感覚でやっていくと、無意識に全部を相手にぶつけてしまったり、叶わなかったら、イライラしてしまったり、自己嫌悪になってしまったり…。

 

書き出してみると「あ、これ求めすぎだな」とか、「これ理不尽なこと言ってるな」とか、そういう部分も見えてきます。

 

だから一度全部書き出してみて、振り返ることって結構大事なんです。

 

お互いに“情報”として交換する

 

篠先生:「べきログ」って、そのまま「自分が今何を望んでるのか」というのを相手に伝える時にも役立つんですよ。

 

相手ができなかったときに指摘するのではなく、「自分はこんなことを望んでる」ということをお互いに情報として交換しておきます。

 

そして、もし相手も協力的なのであれば、「見て!私はこんなにあったの。これはすごい自己中心的に見えるかもしれないから、あなたも書いてみて」と相手にも、書いてもらい。

 

それを見せ合うことで、「じゃあこれはできる、これはちょっと難しい。」という建設的な話し合いができますよね。

 

お互いの理解も深まりやすくなるはずです。

 

最初は、見せ合った時、お互いにきっと「え!こんなに求めてるの?」ってなると思うのですが、そこは、どれを譲歩し合うかにつながります。

 

子子研:書き出してみることで自分の整理にもなりますし、何より相手にも伝わりやすいですね!やってみたいと思います!

 

「べきログ」の効果

  • 書き出すことで自分の思考や感情の整理になる。

  • 見せ合うことでお互いの理解が深まりやすくなる。

<子子研メンバーもべきログ書いてみました。>

初めて書くと意外と難しいですが、すきま時間にメモしていくと頭のなかが整理されていく感覚があります。※個人の見解です。

今すぐ実践!本音が伝わる関係を築く方法

 

子子研:「そうは言っても、書き出したり見せ合ったりする時間をつくるのが難しい!」という方へ日常的に取り組める方法について、アドバイス頂けるとありがたいです!

 

篠先生:そうですね。あるにはあります。

但し、「こういう言い方をすれば、すぐにこうなる」ということではありません。

お互いに時間をかけて、理解し合っていくための方法」ということは、忘れないでくださいね。

 

 

未来を良くすることだけ考える 「未来志向」

 

篠先生:まず、大事にすべきは、

 

これから」です。

 

アンガーマネジメントの基本的な考え方に、「何が悪かったんだろう」と過去を思い悩むのではなく、未来に重きを置いた「未来志向」というものがあるんですね。

 

子子研:「ミライシコウ」ですか?

 

篠先生:そう。

あーまたできなかった」と考えるよりも、「自分たちは、どうなりたいのか」ということをイメージして、そこに向かっていくための道筋を考えていく思考法です。

 

 

 

伝えるときはリクエストベースで

 

篠先生:相手に伝える時の具体的な方法としては、「リクエストベース」があります。

 

相手に対して、言いたくなる時って、だいたい何かしでかした時とか、反対にしてくれなかった時とかですよね。

 

でも、そこを責めると、そもそものスタートが悪いんです。

 

「ねえ!今朝ゴミ出ししてって言ったのに!置いてったでしょ!なんで!」とか。(笑)

 

子子研:あります(笑)

 

篠先生:そういう言い方をすると、責めているニュアンスが強くて、相手はつい、言い訳かもしくは反論で返してきがちですよね。

 

その言い訳を聞いて、自分もますますイラっとしてしまったり・・・。

 

そうではなくて。

ゴミを捨てて欲しいんだよね。」とか、「捨ててくれると助かるんだ。」とか、自分の気持ちを乗せたりしつつ、リクエストベースで伝える。

 

しなかったことより、「こうだといいな」とか「こうありたい」とか未来だけ見て言う方が本当に伝えたいことが伝わりやすいです。

 

こうしてほしい。そうすると、私、嬉しいんだ。」とか「助かる」とか「ありがとう」とか。

 

感謝の気持ちと一緒に伝えると、よりすてきですよね。

 

自分の欲求を通すためじゃなくて、「自分たちが譲歩する場所を一緒に探すために伝える」ということは忘れないでほしいです。

 

夫の皆さんへもメッセージをいただきました!

乳幼児期に培った夫婦の信頼関係はその後にも生きてきます。

 

子子研:これまで妻側へのメッセージということでお話頂きましたが、最後に、夫側に向けても前向きなメッセージをお願いします!

 

篠先生:夫婦関係は多様なので一概には言えませんが…。1つだけ。

 

たとえ上手に赤ちゃんのお世話ができなかったとしても、常にママの応援団というか、味方の立場でいてあげてください。

 

  • 自分から妻の話を聞く
  • 共感する
  • 労いを伝える

 

それが実は、家族に対してものすごく大きな役割を果たしているんですよ!ということをお伝えしたいです。

 

イクメンが注目される中で、もしかしたら、子ども中心の家庭に疎外感を感じたり、苦手意識や、時間の無さから「役に立てない…」と居場所がないような寂しさを感じるパパもいるかもしれません…。

 

ですが、その寂しさや無力感は、

実はママも同じかもしれません

 

子育て中は、これまで経験のない責任感や不安、孤独を感じやすい時期です。

 

それでも逃げ場がなく、続けなければいけないのが子育てです。

 

乳幼児期に培った夫婦の信頼関係は、

きっとその後にも生きてきます

 

ぜひ、続けていってほしいなと思います。

 

子子研:確かに。つい喧嘩もしてしまうけれど、夫婦って味方同士なんですよね。

 

貴重なお話ありがとうございました!

 

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました!

今回のお話では、イライラした時に少し立ち止まる考え方と具体的な伝え方を教えていただきました!

子育てって見えないことばかり…。

夫婦の在り方もそれぞれであり、何が正解かやってみなきゃわからないし、やってみたとしても結果が感じられるのは、いつのことだかわからないものです。

この連載は、一人ひとりちがう「自分たちらしい子育ての在り方」を構築していく場面で役立つように、具体的な方法をお届けしていきたいと考えます。


来月は、安斎勇樹先生による
「問いと対話のデザイン編(仮)」です!


お楽しみに!

(株)フレーベル館・子ども子育て研究室

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